危機管理広報

プロの目①危機管理広報の誤りが企業をさらなるピンチに陥れる

危機管理広報と聞いて、どのような活動を思い浮かべるでしょうか。謝罪会見、不祥事が発覚した際の公表の検討、コメントの発表、SNS が炎上した際の対応…いずれも危機管理広報の一環です。

何か緊急事態が発生した時、企業や組織にとって「ダメージを最小限に抑える」ことがゴールとなります。そしてそのためにできる広報活動が、すなわち「危機管理広報」となります。
 企業にとって、不祥事を起こしてしまうことはもちろん一大事です。 しかし、その後の対応の成否によって、受けるダメージは大きく変わります。適切な対応が取れれば、レピュテーションのダメージを最小限に抑えることができます。

しかし事後の対応を誤ると、ネガティブな報道が続いたり、「不誠実で信用できない」などとステークホルダーに悪い印象を持たれたりと、非常に大きなダメージを受けることになりかねません。

皆様にも、「この会見/対応はひどいな」などと記憶に残っている事例があるのではないでしょうか。このように、悪い意味で記憶に残ってしまうのが、最も悪手といえます。

弊社スタッフによる模擬記者会見の様子

例えば謝罪会見で失敗するケースでは以下のようなものがあります。
 ・「調査中」や「コメントできない」という回答ばかりになる
 ・トップが真剣に謝罪しているように見えない
 ・記者と認識が食い違い、言い争いのようになる
 ・言い逃れしているように見えてしまう

いずれもメディアに良い印象を与えず、報道の内容が批判的なトーンになりがちです。すると、それを見ているステークホルダーにも悪い印象を持たれてしまうことになります。

不祥事を起こしてしまった時、企業にとって重要なのは、メディアはもちろんのこと、報道を見ているステークホルダーに与える印象を、いかに落とさずにいられるかということです。それは謝罪会見だけではありません。不祥事を覚知した直後から、その対応が命運を分けることになります。その要となるのが、広報担当者です。
 関係部署との情報共有やその整理、対応案の検討とトップとの協議、コメント案や想定 QA の作成など、広報担当者がやらなければいけないことは多岐にわたります。そして、これらの業務には何よりスピードと正確性が求められます。

いざ不祥事が起きてから体制を整えるのでは遅すぎます。広報担当者には、日頃から危機管理広報の体制構築や社内の危機意識の醸成に努めることが求められます。

2022/07/15