危機管理広報

プロの目⑲いつトレーニング・セミナーを実施するのが適切か?

 新年度に向けて、各社の経営陣や管理職の人事の発表が相次ぐ時期となりました。就任記者会見や各ステークホルダーへのあいさつなど、行事や予定が盛沢山というところもあるかもしれません。

 弊社のクライアントの中には、「新社長に対して、就任する前に、最悪の事態が発生したときの状況を経験させておきたい」「緊急事態が発生したときには店長や拠点長でも記者の取材を受ける可能性があることを意識させたい」という考えから、特定の役職に就く予定・就いた方に必ずトレーニングやセミナーを実施するところが少なくありません。
 また、企業によっては、新任の人に加えて、過去に受講したことのある人にも「社会の直近のトレンドや他社の事例を定期的にアップデートしたい」と毎年セミナーを実施しているところもあります。

 実際に起こりうる事件や事故を想定した模擬記者会見や電話対応取材を受けていただくと、参加した方からは「事前に考えていたから対応できると思っていたが、全然準備が足りないと感じた」「日ごろから管理体制やマニュアルを確認しておかなければいけないと思った」といった声を多くいただきます。
 その他にも例えば、営業畑が長くコミュニケーション能力に長けている方の中には、会社が説明すべき内容から踏み込みすぎて機微な情報を話してしまったり、これまでメディアと接点がない方だと記者の質問の意図をくみ取れなかったり、どのように答えればよいのかわからずに沈黙してしまうという場面がありました。

 実際に何か危機が発生してから取り組むのではなく、少しでもメディア対応を迫られる可能性がある方には、トレーニングやセミナーを一度は経験していただくことをお勧めしいます。そうすれば、危機意識が高まり、日常の業務をリスクコントロールの視点から見つめ直すことができます。新年度を機に、新たな組織が危機に十分対応できるのかを考えてみてはいかがでしょうか。